海と山に囲まれ両方の幸に恵まれている。ガイドブック「地球の歩き方」には、『おいしいものがいっぱい。素朴で飾り気はないけれど、素材を活かしたあっさり味の料理は日本人にもなじみやすく、どこか懐かしさを感じさせてくれる』との紹介。隣国スペインの料理が最高に素晴らしかった。これらの理由から、ポルトガル料理には大いに期待を寄せていたのでした。
そんなポルトガル料理、3日間食べてみた感想としては、
・口に合うものと合わないものとにはっきりと分かれる、
・魚介料理に目が行きがちだけれど、どちらかと言えば肉料理の方がいける、
・ポルトガルの国民食というBacalhau(バカリャウ、干しダラ)を使った料理は概ね苦手
といったところでしょうか。
それでは、印象に残った料理たちを紹介します。
まずこちら、ローストチキン。バルセロスという街の伝説に因んでニワトリはポルトガルのシンボルと位置付けられており、お土産屋にはニワトリグッズがたくさん並んでいるのですが、グルメでも主役の座を射止めています。「ポルトガル風チキン」という言葉が欧米では一般的に用いられていて、ロンドンでは「Nando`s」というレストランがチェーン展開するほど。そんなチキンを本場で食べたのですが、まあ普通のレベルでした。チキンに塩コショウをして丸焼きにしているだけなので、素材がよっぽど良くない限り素晴らしく美味しくはなるはずがないことを分かっていつつも、決して不味いということはありませんが少々拍子抜けでした。
こちらは、バカリャウ・ア・ブラス(Bacalhau a Bras)という料理。バカリャウ(干しダラ)と玉ねぎを炒め、千切りのフライドポテトと合わせ、玉子でとじたものです。見た目とても美味しそうなのですが、実に期待外れ。塩辛い!脂っこい!そしてタラ臭すぎる!!オリーブオイルにほぼ浸かっている状態なので、器を傾けて油を振り落としてから口に運んでいたのですが、それでもあまりにもしつこすぎて、・・・結局半分近く残してしまったのでした。
続いて、イワシの塩焼き。付け合せがローストポテトの串焼きにサラダと洋な感じではありますが、そのまま日本の食卓に出てきそうなメニューです。実はこれもポルトガルの名物料理の1つ。以前ポルトガルを訪ねたことがある上司から「日本人は絶対に醤油が欲しくなる」と聞いていたので、わざわざロンドンから持ち運んでいたのですが、その甲斐ありました。新鮮なイワシ、口中で広がる青魚の脂の旨み、そこに醤油。まさに日本人泣かせです。イワシと一緒にボトルに入ったビネガーが運ばれてきたので恐らくポルトガル人はビネガーをふって食べるのでしょうが、ポルトガル中に醤油の方が合うと説いて回りたいと思いました。
そしてこちらが今回1番のお気に入り、ウサギ肉のシチューです。肉はフォークを当てると崩れるくらい煮込まれ、そして濃厚なソースにも旨みがたっぷりと染み出していました。ウサギ肉、記憶が正しければ生まれて初めて口にしたのですが、実に美味しいです。柔らかくてクセがなくて、鶏肉を上品な味わいにしたようなイメージでしょうか。あの愛らしい動物を食べていると考えてしまうとそれほど気分が良いものではありませんが、そのマイナス作用を差し引いても、また食べたいと思わせてくれる味でした。
最後こちらが、アサリ蒸しポルトガル風。大ぶりのアサリが、オリーブオイル、ニンニク、バジルで炒められています。どこがポルトガル風なのか、どこがボンゴレと違うのか、よく分かりませんでしたが、アサリがぷりぷりで美味しかったです。
そういえば料理ではありませんが、ポルトガルの生ビールは最高でした。Sagres(サグレシュ)というのがトップブランド。糖度少し高め、コクがあるのに飲み口爽やかという素晴らしい味わいです。
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